1.統計解析・信頼性解析ツール
当サイトの理論編で説明している信頼性解析・統計解析手法については、殆どの手法はツール化(プログラム化)されており、ここではそれらを紹介すると共に入手方法について述べる。
2.SA&RA ProX
2.1 概要
SA&RA ProXは信頼性解析、統計解析、品質データ分析、サンプルサイズの設計などが行えるwindows上で動作する統合ソフトである。外部への提供を意識したものではないので使い勝手は市販ソフトには及ばないが、既に多くの実施例があり解析結果の妥当性は十分にあるものである。但し2項の機能(分析・解析アイテム)リストに示すように一般的なエンジニアが扱うデータ解析用であり、実験計画法を上回る高度な解析機能は保有していない。データファイルは(*.csv)形式で、「EXCEL」又はSA&RA
ProX専用の「Editor for SA&RA ProX」で作成し、一旦保存後に各解析・分析アイテムに対応したウィンドウからデータファイルを読み込み、解析結果は一連の操作によりウィンドウ内のリストビューにテキストデータとして出力され、解析アイテムによってはグラフィックデータも出力される。解析結果はテキストデータとして(*.csv)形式で保存するか、又は画像データとしてクリップボードにコピー(マウス右クリック)できるので、解析結果を他のアプリ(wordなど)に転用できる。
2.2 機能
エンジニアに必須の以下の機能を搭載しており、その内容については以下のヘルプファイルを閲覧できるので参照されたい。なおこれらのヘルプファイルには、データファイルの作成から分析・解析結果を得るまでの一連の手順が示されており、各分析・解析アイテムのウィンドウから個別に呼び出せるようになっている。SA&RA
ProXの概要では、「各解析・分析アイテムの手引き」において実施するために役立つ知識情報を纏めてあり、文献が無くても最低限の知識情報が得られるようになっている。
機能(解析・分析アイテム) | ヘルプファイル |
SA&RA ProXの概要 | SA&RA ProXの概要 |
データファイルの作成 | Editor for SA&RA ProX |
統計数値表の計算 | 分布数値(確率・%点) |
サンプルサイズ・検出力 | サンプルサイズ |
検出力 | |
母集団の推定・ヒストグラム | 基本統計量・母集団の推定・ヒストグラム |
仮説検定(連続データ)・分散分析 | 検定(連続データ)・単回帰(繰り返しなし) |
相関・単回帰分析(繰り返しあり/なし) | |
分散分析(ANOVA1,2) | |
線型性解析(ANOVA1) | |
品質管理 | 管理図・工程能力分析 |
Run Chart | |
パレート図 | |
ゲージR&R | |
信頼性解析 | 故障確率分布(分布シミュレーション) |
信頼性データ解析(数値/グラフィック) | |
試験規模・宣言値・危険率(β)の推定 | |
仮説検定(離散データ) | 仮説検定(離散データ) |
実験計画法 | 分散分析(#直交配列表) |
品質工学(SN比解析・静特性) | |
機械設計 | ばね設計 |
ねじ強度設計 | |
公差解析 |
※ダウンロードしたchmファイルを開けない場合の処置方法
chmファイルをWクリックし「セキュリティの警告」ダイアログボックスで、「このファイルを開く前に常に警告する」チェックボックスのチェックを外し[開く]をクリックする。
2.3 実際の解析例(信頼性データの解析例)
1) 解析データ
以下の信頼性データのB10ライフ及びFM信頼限界を推定するものとする。
2) データファイルの作成
前述したようにSA&RA ProXのデータファイルは、EXCEL又は専用のEditorで作成するのであるが、ここではEXCELを用いた作成例を示す。
EXCELを用いて作成する場合はSA&RA ProXにデータ作成エリアを示す必要性があり、A1セルとB1セルにその指示値を入力する。A1セルの「3」は列数が3個であること、B1セルの「8」はデータ数が8個であることを示している。なお3行目(B3,C3,D3・・・)はデータ列を説明するための任意テキストデータを入力し、データエリアは4行目以降の各列となる。このデータフォーマットは全ての解析アイテムで統一されているので、他の解析アイテムの場合も同様に作成すればよい。なおデータは×102として桁が圧縮されている。作成したらこれを*.csv形式で保存する。
3) SA&RA ProXの立ち上げ
SA&RA ProXのフォルダ内にある「SA&RA ProX main」をWクリックすると、以下のメインウィンドウが立ち上がる。メインアイテムから[信頼性解析(グラフィック解析・試験規模)]を選択し、サブアイテムから[信頼性データ解析(数値/グラフィック)]を選択する。
信頼性データ解析ウィンドウに切り替わるので、ファイル操作により保存したデータファイル(*.csv)を呼び込み解析条件(分布の仮定、区間推定、データの係数)を設定する。
[解析]ボタンをクリックすると、不信頼度の計算結果と最尤法による母数の推定値がリストビューに出力される。
メニュー操作から確率チャートプロットを呼び出すと信頼区間の設定ウィンドウに切り替わるので、信頼区間の推定方法を設定し[OK]ボタンをクリックするとグラフィック解析ウィンドウに切り替わる。
不信頼度のプロット点と最小二乗法による回帰直線FM信頼限界の片側95%の下限ラインが出力され、それらより推定されるB10の点推定値とFM信頼限界における片側95%下限値がリストビューに出力される。
メニュー操作によりリストビューに出力されたテキストデータを保存(*.csv)する。
3.EXCEL計算シート(一部アクセス制限付き)
管理人が計算検証するために作成したEXCELシート(信頼度予測ワークシートはpass付リンク)を、ご提供致します。
機能(解析・分析アイテム) | EXCELファイル | 価格(円) |
最短試験規模・FM信頼限界 | FM confidence interval | 無償提供(フリー) |
電子機器の信頼度予測 | 信頼度予測ワークシート | 無償提供(リンクキー必要) |
4.SA&RX ProXのダウンロード(アクセス制限付き)
Pass付リンクのキー(pass word)を供給された方は、以下により全機能を同梱したSA&RA ProX他をダウンロードできます。
機能(解析・分析アイテム) | 実行ファイル | 価格(円) |
SA&RA ProX(全機能同梱版) | SA&RA ProX・SQsigma ProX | 無償提供(リンクキー必要) |
「SA&RA ProX」の全機能を同梱したプログラム、及び電子機器の「信頼度予測ワークシート」をご希望の方は、無償提供致しますのでご希望の方はホームページのメールアドレスよりお問い合わせ下さい。メール受信後に折り返しリンクキー(pass word)をご連絡致します。